美味しい飲み方
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お茶はちょっとした淹れ方の違いで、びっくりするほどまろやかな味が出ます。それぞれの葉の特徴を生かしたおいしい淹れ方を覚え、自分なりに好みに応じて楽しく飲みましょう。
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一般に、熱い湯で茶を淹れると渋味の成分が早く抽出して渋味のある茶になります。これは中級品以下の葉か番茶に適します。
低い温度でやや時間をかけて茶を淹れると、甘味、旨みが出てきます。これは、テアニンといってグルタミン酸の一種ですが、玉露 や高級煎茶をだす時に適します。
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■玉露
湯を急須に入れ、上茶で50度、並茶で60度位までさましてから茶碗の7分目まで注ぎ入れる。茶碗は玉露用の小ぶりのものを使用。
3人で10gほどの茶の葉を急須に入れ、そこにさました湯を戻す。2分間ほど待ってから湯飲みに。2煎目は湯を注いでから30秒ほど待つ。
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■煎茶
茶碗に湯を8分目まで入れ、さます。上茶で70度の湯を50ml、並茶で90度の湯を80ml位が目安。5人で10g程度の葉を急須に入れる。
さました湯を急須に注ぎ、 60秒位たったら廻しつぐ。最後の一滴まで絞りきるのがコツ。2煎目は湯を入れてから 10秒程待つ。
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■番茶・焙じ茶
5人で 15g程度の量の葉を急須に入れる。急須に熱湯を入れ、約30秒待つ。回しついだら最後の一滴まで絞りきる。
2煎目は湯を入れてすぐに湯飲みについでもかまわないが、茶の葉の成分が出つくすので、新しい茶に取り換えたほうがいい。玄米茶も同様。
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■日本茶に適しているのは「軟水」
軟水とは、カルシウムやマグネシウムが余り含まれていない水のことです。
日本の水は軟水が多く、日本茶に適しているといえます。 カルシウムやマグネシウムが多く含まれているミネラルウォーター(硬水)だと、お茶の味や香りが薄くなって、白く濁ってしまうことがありますので、ボトルの表示をよくお確かめください。
水道水を使うときは、カルキ臭を抜くために3~5分くらい沸騰させたままにしておくと良いでしょう。塩素の匂いが気になるときは、4時間程度汲み置きしておくのも効果的です。
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■茶葉によってお湯の温度や茶葉の量をかえてみる。
茶量(g) 湯量(ml) 湯温(℃) 時間(秒) 玉露(上) 10 60 50 150 玉露(並) 10 60 60 120 煎茶(上) 6 170 70 120 煎茶(並) 10 430 90 60 番茶 15 650 熱湯 30 焙じ茶 15 650 熱湯 30 -
■お湯の温度
玉露や上級の煎茶は、豊富な旨味成分 = アミノ酸と、苦渋味成分のタンニンなどを含んでいますが、それぞれの成分がお湯に溶け出す温度が、異なります。アミノ酸は、お湯の温度が低くてもよく溶け出しますが、タンニンやカフェインは、温度が高くならないと、なかなか溶け出しません。
つまり、温度が低いお湯で淹れると、旨味はよく溶け出しますが、苦味や渋味は余り溶け出さないのです。逆に、爽やかな渋味が持ち味の並級煎茶や番茶は、そこまでお湯を冷ます必要はありません。香りを楽しむ焙じ茶などは、熱湯で淹れるといい香りが広がります。
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■湯冷ましの方法
まず、これから使う湯呑み茶碗に適量(八分目)のお湯を入れてから、茶葉の入った急須に移し替えます。一度お湯を茶碗に入れることで、約 5 ~ 10℃ の湯冷ましができます。この方法ですと、お湯の適量を計ることができ、茶碗をあらかじめ温めておくこともできて、一石三鳥です。
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■注ぎ方のポイント
例えば 3 人分のお茶を淹れるときは、 3 つの茶碗それぞれのお茶の濃さと量が均等になるように、何回かに注ぎ分けるのがコツです。 1つめの茶碗・2つめ・3つめと注いだら、今度は 3 ・ 2 ・ 1 と戻って、最後の一滴を注ぎきるまで繰り返してください。
必ず最後の一滴を注ぎきることが、二煎目を美味しく飲むポイントです。